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Source2のテレメトリHUD

『Counter-Strike 2』と『Deadlock』には、フレームレートとネットワークの状態を確認するために使用できるゲーム内HUDがあります。 テレメトリHUDは「設定」>「ゲーム」>「テレメトリ」で有効にできます。

以下で説明するHUDの各項目は、一切表示しないか、常に表示するか、または状態が「悪い」場合に表示するように設定できます。

状況はユーザーごとに異なるため、何を「悪い」状態と見なすかはユーザー自身の判断に委ねられます。 パフォーマンスメトリックごとに警告しきい値を設定でき、そのしきい値を超えると値が赤色に変わり、状態が「悪い」と見なされます。 さらに、状態が悪い場合にのみ表示するように自分で設定したすべてのオプションが表示されるようになります。

テレメトリHUDを理解する

フレームタイムとFPS

「ms」の左にある数字はフレームタイムで、画面に連続して表示されるフレームの間隔をミリ秒単位で示します。



右側の数字は平均フレームレートを表しており、1秒あたりのフレーム数(FPS)です。



どちらの数字も、画面の更新速度を示しています。 表示されているFPSは1秒あたりの平均フレーム数で、全体的なパフォーマンスを測るのに適しています。 通常、平均フレームレートは構成やマシンの性能と相関します。

左側の数字は最長(最も遅い)フレームタイムを示しており、短い「スパイク」や「ヒッチング(カクつき)」を特定するのに役立ちます。

推奨事項:
  • フレームタイムの警告しきい値を、通常測定される最大フレームタイムの少し上に設定してください。 その後「ヒッチング」が発生した場合、問題の原因がコンピューターのパフォーマンスによるものであるかどうかを確認できます (つまり、ネットワークの問題ではないことを確認できます。)
  • ゲームパフォーマンスに関する問題のトラブルシューティングのヘルプ記事には、ゲームのパフォーマンス向上に関するアドバイスが記載されています。

Ping

Pingは、往復のネットワーク遅延をミリ秒単位で測定します。 Ping値が低いほど、プレイしているサーバーとの間の情報の送受信が速くなります。



これはパケットがネットワークを通過するのにかかる時間のみを測定する点に注意してください。

推奨事項:
  • (『Counter-Strike 2』のみ)Ping値が非常に高い場合は、「設定」>「ゲーム」>「最大許容範囲PING」を下げてみてください。 これにより、マッチメイキングシステムがあなたを配置できるデータセンターの数を制限します。

ネットワークの問題

時折、マッチ中に「ヒッチング」や「ゴムバンド現象」が発生することがあります。 ネットワークの問題に関する表示は、原因がネットワーク接続にあるのか、マシンのパフォーマンスにあるのかを判断するのに役立ちます。

上下の矢印が付いた2つの数値は、ネットワークの状態がどれだけ頻繁にあなたのエクスペリエンスの質を低下させているかを示しています。 つまり、どれだけの「ティック」が欠落しているかを示しています(より詳しい説明については、下記を参照)。



上向きの矢印は、コンピューターからゲームサーバーにアップストリームで送信されるパケットの割合を示しています。 下向きの矢印は、ゲームサーバーからコンピューターへ送信されるダウンストリームのパケットの割合を示しています。 この例では、ネットワークの状態によりゲームプレイの質が両方向で低下しており、ダウンストリームの方がアップストリームよりも影響を受けています。

推奨事項:
  • ティックの処理ミス警告のしきい値を比較的低い数値(例えば0.1%や0.5%)に設定してください。 その後「ヒッチング」が発生した場合、問題の原因がネットワークによるものであることを確認できます (つまり、お使いのコンピューターの問題ではないことを確認できます。)
  • 「設定」>「ゲーム」>「パケットロス/ジッターを解決するバッファリング」を増やすことで、多くの問題を解決できます。 なお、これはさらなる遅延を引き起こすことに注意してください。


上級者向けの技術情報

フレームタイムとFPSはどのように関連していますか?

フレームタイムとフレームレートはどちらも、画面がどれだけ速く更新されているかを示しています。 数学的に言えば、それらは互いに逆数です。 例えば、フレームタイムが20ミリ秒の場合、フレームレートは1秒/(20ミリ秒/フレーム)=50フレーム/秒となります。

しかし、表示される数値がしばしば互いの逆数ではないことに気付くでしょう。 その理由は、各フレームの所要時間が同じではなく、フレームタイムの値は最大フレームタイム(直近の時間帯での最長または最も遅いフレーム)を示しているためです。 FPSの値には、平均フレームレートが表示されます。これは多くのビデオゲームにおけるFPS表示の従来の方法です。

ジッターとは?

ネットワークジッターは、パケットの均一な流れにおける乱れです。 渋滞により、1つ以上のパケットで異常な遅延が発生し、予想よりも遅れて時には塊になって到着することになります。

ジッターは「遅延変動」とも呼ばれ、各パケットがネットワークを通過する時間に違いが生じることを指します。 2つのパケットが送信される間隔が、受信される間隔と同じではないということです。

ゲームのようなリアルタイム通信では、メッセージが正常に送信されるだけでなく、時間どおりに受信することが必要であるためジッターは重大な問題です。 メッセージが遅れて送信された場合、通常はドロップされたのと同じくらい悪い状態です。 そのため、パケットロスのみを測定するネットワークテストでは不十分です。 ジッターは、リアルタイムネットワーク接続の質を表す非常に重要な指標です。

ティックの処理ミス率とは?

テレメトリHUD内の2つのネットワーク品質測定では、 ティックの処理ミス率を測定します。 この数値は、サーバーまたはクライアントでは次のティックの準備ができているのに、ティックの処理に必要なデータが時間どおりに到着しない頻度を示します。

サーバーは、ゲームの状態のアップデート(「スナップショット」)を含むメッセージを1ティックごとに1回の一定間隔で送信します(『Counter-Strike 2』では1秒あたり64ティックを使用します。 『Deadlock』は1秒あたり60ティックを使用します)。 ダウンストリームのティック処理ミス率は、クライアントが次のスナップショットを必要とする時間になっても、それがまだ到着しない場合の頻度を測定します。

同様に、クライアントはユーザーコマンドを含むメッセージを1ティックごとにサーバーに送信します。アップストリームのティック処理ミス率は、クライアントから次のユーザーコマンドが到着していない場合にサーバー上で発生するティックの割合です。

なお、ティック処理ミス率では、ティックの欠落の原因となるネットワークの問題のみがカウントされることにご注意ください。 これは単なるパケットロスの指標ではありません。数値が0%であっても、ネットワークの状態が完璧であることを意味するわけではありません。

バッファリングの追加がどのように問題を「スムーズに」解決するのですか?

完璧な条件下では、メッセージが必要になる直前に届くようにタイミングが調整されます。 到着が早すぎると遅延が発生し、Ping時間が長くなるのとまったく同じ影響が生じます。 Source 2エンジンでは、メッセージが早く到着した時間のことを「受信マージン」と呼びます。 これは、遅延がコンピューターやゲームサーバーの内部、またはネットワーク上のどこで発生したかにかかわらず、偶発的な遅延を吸収するために必要な誤差の範囲です。

Source2エンジンは、必要な受信マージンを得るためにクロックを継続的に調整します。 ネットワーク上にジッターが存在する場合、通常、エンジンが自動的にバッファリングを増やすことで、最も遅延したパケットでも時間どおりに到着するようになります。 しかし、自動調整では不十分な場合もあります。

ゲームの設定(「ゲーム」>「パケットロスを解決するためのバッファリング」)で「パケットロス/ジッターを解決するバッファリング」の値を増やすと、クライアントはクロック同期を調整し、受信マージンを1ティック以上分増加させます。 これにより、ティックの欠落数が減少します。 これにより、ジッターやパケットロスによって引き起こされる問題が見られなくなりますが、その方法はわずかに異なります。
  • 接続におけるジッターが非常に不均一または「突出」していて、遅延は非常に大きいもののめったに発生しない場合、ゲームの自動調整では不十分なことがあります。 1ティック以上のバッファリングを追加することは、大きな遅延スパイクに備える必要があるというシグナルをクロック同期装置に送ることになります。
  • パケットがドロップされた場合、ティックを追加することでギャップを埋めることができます。 これは通常、ドロップされたメッセージののティックメッセージが到着しており、ティックの欠落箇所を「スムーズに」するのに十分な情報があるためです。
このバッファリングの追加の欠点は、遅延が増えることです。

ネットワーク接続についての詳細な情報を得る方法は?

基本的な「ネットワークの問題」の数値は、お使いのネットワーク接続がゲームプレイ体験にどの程度悪影響を与えているかを測定するものであり、接続の質の直接的な尺度ではありません。 テレメトリHUDには、パケットロスとジッターの生データを確認するためのオプションが2つあります(リアルタイムグラフと数値表示)。

ネットワークジッター/誤送信グラフ

ネットワークジッター/誤送信グラフは、ネットワーク接続の品質をリアルタイムで視覚的に示します。 グラフの各バーは1つのネットワークメッセージを表しています。 バーの高さは、そのメッセージ内のパケットのジッターの量を示しています。 メッセージがドロップされると、赤色の垂直な実線が表示されます。 メッセージの順序が入れ替わると、紫色の垂直な実線が表示されます。 ジッターがしきい値を超え、ティックが欠落する重大なリスクがある場合、バーは赤色で表示されます。



上の例は、わずかなジッター(ピークで約8ミリ秒)とパケットロスのある接続を示しています。 各グラフの目盛り(この例では20ミリ秒)は、グラフの一番上に表示されている値に対応しています。 鮮やかな赤色の線はメッセージの欠落を示します。

以下はジッターが高い接続の例です。 この接続にはパケットロスがないことに注意してください。



各グラフの中央を横切る赤い線は警告しきい値であり、それを超えるとジッターによってティックの欠落が発生する可能性が高くなります。 しきい値は、手動で設定した現在のバッファリング量(「設定」>「ゲーム」>「パケットロス/ジッターを解決するバッファリング」で設定)に依存します。 この線を越えてパケットでジッターが発生し、赤色になった場合、ジッターの量が手動で設定された現在のバッファリングの量に対して高いことを意味します。 これは必ずしもティックが欠落してゲームプレイに影響が出たことを示すわけではありません。

エンジンは、接続ジッターが比較的頻繁に発生する限り(つまり、接続ジッターが「ホワイトノイズ」として1秒程度の間隔でピークを示す場合)、偶発的な遅延を吸収するために十分な量のバッファリングを自動的に追加します。 この場合、ユーザー側でのアクションは必要ありません。 しかし、ジッターがより散発的な「スパイク」として発生しており、落ち着いている時間が長い場合は、「パケットロス/ジッターを解決するバッファリング」を増やす必要があるかもしれません。

これらのグラフは、基礎となるネットワークの状態を示していることに注意してください。 誤送信や過剰なジッターが発生した場合、グラフには赤または紫のバーが表示されますが、それが必ずしもティックの欠落やゲームプレイへの影響があったことを示すわけではありません

詳細なネットワーク品質表示

詳細なネットワーク品質表示は、現在のパケットロスおよびジッターをコンパクトな数値形式で表示します。



「Ping」および「ミス」列には、基本ビューと同じ情報が表示されます。 「ロス」はパケットロス、「ジッター」はジッターのピーク値を示します。 この例では、パケットロスと著しいジッターがあるものの、ティックの処理ミス率は0%のままであるため、ゲームプレイに影響はないはずです。

このネットワーク表示は、通常は基本ビューを使用するようにして、ネットワークの状態が悪い場合に詳細ビューに拡張するように設定することもできます。

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